今回は、アルミ鋳物の製造に使用する金型鋳造用の鋳型(いがた)の準備をご紹介します。
※2024/11/28追記・更新しました
金型鋳造法とは、金属で作った鋳造(金型といいます)の中に溶融金属を鋳込み、凝固させて鋳物を作る方法のことです。
通常は重力を利用して溶湯を鋳込む重力金型鋳造のことをいいます。
鋳造する金属は、一部の鋳鉄や銅合金などもありますが、ここではアルミニウム合金の金型鋳造に絞ってご紹介します。
鋳造の基本は「鋳造とは」の記事を参考にしてください。
砂型鋳造については、下記リンクの記事を参考にしてください。
アルミ鋳物を作るための金型鋳造用鋳型
金型は、基本的には左右あるいは上下に分割可能(固定型と可動型)な2枚の金型で構成されます。
複雑な製品形状では多分割したり、引抜中子などが使用されたりします。
金型には、溶湯を金型キャビティに導く湯口系と、製品部となる金型キャビティからなる金型空間部分と、製品を金型から押し出す際の押出ピン、押出棒、押出板、押出板を戻すリターンピンなどの製品排出機能部分があります。
押湯をキャビティ上部に設ける場合もありますが、湯口が押湯を兼ねます。
金型鋳造では、中空部など金型では抜けないアンダーカット部分を形成するために、砂中子やシェル中子などが使用できます。
アルミニウム合金の金型鋳造での鋳造温度は700~750°C、金型温度も300°C前後と高く、しかも繰り返し使用されるために、断熱性が要求され、キャビティ部分には
SKD5、SKD6、SKD61などの熱間金型用の合金工具銅が用いられ、焼入れ、焼戻し、必要に応じて窒化処理を行うことがあります。
金型鋳造の縮み代は、金型の温度や中子の有無によって異なりますが 、6/1000~8/1000といわれています。また、金型キャビティ面には次項で紹介するように塗型剤が塗布され、その厚さは0.2~0.3mm程度であり、仕上げ代として1.5mmを採用しています。抜勾配は2°を基本としています。
金型キャビティを充墳する溶融金属は空気が抵抗になって充墳が妨げられることがあります。そこで、金型の分割面に0.2~0.5mmのガス抜きの溝を設けたり、袋状の部分にガス抜きプラグを設けたりします。
金型の冷却は、金型全体の温度を下げる目的と製品肉厚部の凝固が遅れる部位の冷却を速めるために行われます。前者は、ライン冷却により、また後者はスポット冷却によって行われます。
金型温度は 300°C前後と高いので圧縮空間やミストなどで局部的に冷却することがあります。
金型鋳造用の鋳型についての要点
金型鋳造に使用する金型は、300~400°Cの温度で使用されるため、熱間金型工具網で作られ、焼入れ・焼戻し、および窒化などの表面処理が行われます。
鋳物の品質を確保するため、ガス抜きや冷却管などが配置されます。
引用参考文献:わかる! 使える! 鋳造入門 西 直美 (著)日刊工業新聞社
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