鋳物とは

鋳物の作業工程

鋳物とは、金属を融点より高い温度で溶かして、作りたいものと同じ形状の空洞を持つ型(鋳型)に流しこみ冷やし固める加工法で作られた金属製品です。

鋳物の用途は様々です。鋳造は金属を溶かして鋳型に入れて複雑な形の部品を容易に作ることができるので、鋳物は自動車部品、機械部品、建築部品、日用品、美術工芸品などの用途で使用されています。鋳物は私たちの生活にはなくてはならない存在となっています。

鋳物材料別の比較

鋳造法は、金属を溶かして、砂や鉄などの金属で作った鋳型の中に鋳込んで冷やして固めるプロセスで、基本的には溶かせる材料であればなんでも鋳造できます。溶かせる金属材料であれば鋳物は作れますが、使う材料によってそれぞれ特徴があります。

各鋳物材料と用途の比較一覧

鋳造法の基本についてはこちらの記事をご覧ください。

鋳造とは 【鋳造法の基礎知識】

鋳鉄鋳物

鋳鉄は、FeCおよびSiを主成分とした合金で、C2.14%以上含有しています。Cは、C量やSiの少ないときはセメンタイト(Fe₃C)、多いときは黒鉛として存在しており、潤滑性に優れ、熱伝導が良いので摩擦熱を逃がしやすく、振動吸収能が高く、熱衝撃にも強い、などの特徴があります。自動車関連では、クランクシャフト、カムシャフトブレーキなどに使われます。身の回りの製品としては、マンホールの蓋、すき焼き鍋、フライパンなどがあります。

鋳鋼鋳物

鉄鋼は、鋼(C0.022.14%)の鋳造品のことをいい、炭素鋼鋳鋼と合金鋼鋳鋼があります。炭素鋼鋳鋼は、焼なまし、焼ならし処理によって特性を改善してブランケットや自動車、鉄道車両部品などに用いられています。また、合金鋼鋳鋼は、マンガン、クロム、ニッケルなどを添加した合金で、代表的なものとして科学プラントのバルブなどに使われるステンレス鋼鋳鋼があります。

銅合金鋳物

銅合金鋳物は、電気・熱伝導、耐食性に優れるほか、強度、耐摩耗性、軸受特性がよく、数少ない有色金属として美しい特徴があります。用途としては、水道関連金具などの建築関連部品、電気用ターミナルなどの電機関連部品、軸受けなどの産業用機器部品、プロペラなどの船舶用機械部品、銅像や欄干などの美術・景観部品などがあります。

アルミニウム合金鋳物

アルミニウム合金鋳物(アルミ鋳物)は、軽量で熱・電気伝導、耐食性、機械的性質、リサイクル性に優れており、外観も美麗であるという特徴があります。アルミニウム合金は、砂型鋳造、金型鋳造、ダイカストなどさまざまな鋳造法が適用され、特にダイカストでは、シリンダブロック,トランスミッションケースなどの自動車部品に多く採用されています。

当社ではアルミ鋳物を専門に取り扱っております。アルミ鋳物についてはこちらの記事もご参照下さい。

アルミ鋳物とは アルミニウム合金の種類・特性とその利用例

マグネシウム合金鋳物

マグネシウムは、比重が1.74で、実用金属中でもっとも軽い金属です。マグネシウム合金鋳物は、軽量で比強度、振動吸収性、電磁シールド性に優れています。したがって、その特徴を活かして、ノートパソコン、携帯電話、一眼レフカメラなどの筐体に多く使用されています。マグネシウム合金の鋳造法としては、砂型鋳造、金型鋳造、ダイカストなどがありますが、主にダイカストで生産されています。

亜鉛合金鋳物

亜鉛合金鋳物は、融点が低く鋳造性が良好で薄肉製品や複雑な製品に使用されます。また、寸法精度、切削性、めっき性に優れる特徴があります。亜鉛合金の鋳造法としては、砂型鋳造、金型鋳造、精密鋳造、ダイカストなどがあります。主にダイカストでの鋳造が行われ、めっき性を活かした自動車のドアハンドル、業務用冷蔵庫ハンドル、自動販売機ロック操作レバー,配電盤ハンドルなどに採用されています。

 

鋳造に使われる主な材料とその用途

鋳鉄:クランクシャフト、カムシャフト、ブレーキロータ、オイルポンプハウジング、シリンダブロック、ディーゼル用シリンダベッド、デフケース、マンホール蓋、すき焼き鍋、フライパン、鉄瓶、鍋、ストーブ など

鋳鋼:クラシャ、粉砕器用ハンマ、ローラ、ロールハウジング、キャタピラ、歯車、クランクシャフト、船舶用クランクスロー・スタンフレーム・ラダーホーン、鉄道用連結器、ブレーキシュー、化学プラント用ポンプ、タービンハウジング など

銅合金:水道蛇口、電気用ターミナル、給水栓用バルブ・継ぎ手、油圧・空圧用バルブ、ポンプ胴体、海水ポンプ、梵鐘、仏像、おりん、ブックエイド、トレイ、銅像、ブロンズ彫刻 など

アルミニウム合金:シリンダブロック、トランスミッションケース、シリンダベッド、エンジンマウントブラケット、コンバータハウジング、エスカレータステップ、ガーデンチェア・ベンチ、門扉、フェンス など

マグネシウム合金:ノートパソコン筐体、携帯電話筐体、一眼レフカメラ筐体、ビデオカメラ筐体、プロジェクタ用レンズフレーム など

亜鉛合金:業務用冷蔵庫ハンドル、自動販売機ロック操作レバー、配電盤ハンドル、コピー機用フランジ軸、カメラ用ファインダ部品、コネクタ部品 など

まとめ

鋳物には様々な金属材料が使用され、それぞれの用途に適した鋳物材料があります。適切な材料を選択することでより良い鋳物製品が作られ、私たちの身の回りには自動車、家電、日用品などさまざまな鋳物が使われています。今日では、鋳物は私たちの生活にはなくてはならないものとなっています。

 

当社では、昭和21年からアルミ鋳物(アルミ合金)を専門に取り扱っております。アルミ鋳物・アルミ鋳造のことなら、ぜひ私どもに一度ご相談ください。