砂型鋳造について

砂型鋳造の欠陥要素と予防策

欠陥
原因
予防策
1.ドロス、介在物、およびガス孔。上型表面気孔。 A:溶解炉で地金を溶解するときに生成される酸化アルミニウムすなわちドロス。 A:溶湯を汲出す前に表面のかす取りをする。ドロスと共に除去される溶湯の量を減少させるために溶剤を用いる。塩素処理は溶湯中に懸濁している非金属を除去する最良の方法である。
B:鋳造の際にまき込まれ、または生成されるドロス。 B:鋳造前に生成された酸化物層を除去する。溶湯の流れのまわりの酸化物皮膜を破らないように低いところから一定の速さで注ぐ。
C:溶湯が鋳型に流れ込むときに生じたドロスおよび巻き込みガスは普通上型表面に生ずる。 C:不適正なせいづけは騒乱、吸引の原因となりガスをまき込み新しい溶湯を露出して酸化物(ドロス)をさらに生成する。鋳造中の過剰の騒乱を避けるために正しいせきづけ設計を用い縦湯口を急速に満たし、鋳造中それを一杯にしておくこと。
D:インゴット中の非金属介在物(非常に稀) D:他のあらゆる可能性をまず検討せよ。インゴットがなお疑わしいならば数個に破壊して破片を検査せよ。過剰のドロスが存在するならばその原因を調査せよ。
E:他物質の介在、溶湯が鋳型を流れる時に運ばれた砂(非常に稀である) E:鋳型の弱い点を強化せよ。鋳型表面に溶湯が激しく衝突しないようにせきづけ系統を訂正せよ。
F:溶湯中に懸濁している砂または外から入った非金属物質、浮くには重すぎ沈降するには軽すぎる。 F:せきおよび揚りを溶解ポットに返す前に清浄なることを確かめよ。そして外から入った物質が除かれていることを確かめよ。
2.気孔(表面に達している鋳物の空孔) A:水分の多い砂、鋳型補修に水を用いて局部的に湿った点。乾燥してない中子ペースト(砂の通気性が低ければこの因子の影響は拡大される) A:乾燥にもっと注意せよ。正常な水分であるかどうかを鋳型および中子についてチェックせよ。
3.チル気孔(かなり高い圧力のガスの局部的発生によって生成される気孔) A:”湿った”冷し金
(溶湯が入る前に入って来る蒸気が冷たい冷し金の上に凝縮するので、本当は”冷”チルと呼ばれるべきである)
A:鋳型に取付ける前にガス焔で冷し金を予熱せよ。
B:熱した地金と接触してガス、蒸気、またはその両方を生ずる。砂の中に存在する有機物の大片。 B:砂検査を綿密にせよ。有機物を除け。
4.砂流れ A:小さい局部面積に高いガス圧を生ずる砂中の石炭、のこクズ、または”粘土球”のような物質。 A:適当なフルイにかけてそのような物質を除け、または清浄な砂を新たに供給せよ。
B:過剰の蒸気またはガスは吹かれをつくる。それは後に静水圧下で破壊する。”砂壊吹かれ”と呼ばれ、それは大きな継ぎ目または湯切れのように見える。 B:上述のような条件を生ずる蒸気およびガスを避けよ。
C:十分に焼けていないまたは不適当なガス抜き中子のために発生するガスによって溶湯が凝固する前に気孔ができる。 C:熱した地金は中子混合物をさらに焼成しその結果ガスを発生する、最後に中子を除去するときにその崩壊する原因になる。中子混合物を改善せよ。さらに完全に中子をガス抜きせよ。
5.収縮(ヒケ)

 A:”表面”一粒状外観の表面上
   のくぼみ。
A:溶湯は凝固する間に鋳物表面から収縮分離する。貧弱な押湯または鋳物中の漸進性凝固の不適正な進行 A:縮み面へ良い押湯を与えるためにより多くの揚りをつけよ。”縮み部分”に入る前に溶湯を冷却させるためせきの数を増やし、鋳物の残部が凝固する前にそこで凝固を開始させるために縮み部分に近く冷し金をおけ、良い押湯に変えよ。
 B:鋳物は健全に見える。しかし
   過剰な縮みが鋳物内部には
   っきりとした多孔部分ととも
   に存在している。
B:貧弱な押湯または凝固の不適当な進行。 B:5-Aと同一。
 C:縮みわれ C:溶湯が収縮し凝固中に表面から引き離れる。そしてわれ状の縮みを生ずる。すみ肉および角において、または肉部分に近接した押湯のない肉厚部分によく起きる。 C:この因子を避けるために重要な部分に冷し金を用いよ。応力を分散するためにすみ肉の半径を大きくせよ、より良い押湯を与えよ。
6.気孔

 A:ガス気孔ピンホール
A:鋳物全体のピンホールがある程度均一に分布していれば、これは鋳造前に溶湯中に溶解したかまたは鋳込中に地金に吸収されたガスである。 A:縦湯口に入る溶湯はガスを含んではならない。鋳造中の過剰の騒乱を避けよ。砂が適当な通気性と正しい水分含有量を持つことを確かめよ。
 B:微小気候
   極度に細かい。気孔は破壊
   した表面では単に暗い部分
   として見える。
B:溶湯中に溶解したガス。ときにはこの欠陥は貧弱な押湯によって強められる。 B:溶湯を完全に脱ガスせよ。押湯が不適当ならば5-Aに従え。
 C:砂反応または反応気孔(合金中にある元素と水分との反応)
   肉厚部分の外側の部分に
   色あせたワクをつくる。破壊
   面に最もよく見られる。
C:アルミニウム−マグネシウム合金の肉厚部分の外側に最もよく存在する。砂の中の過剰な水分。 C:通気性の大きい水分の少ない天然または合成砂を用いよ。水分よ溶湯との間の反応を遅らせるために抑制剤を用いよ。アルミニウム−マグネシウム合金に0.005%ベリリウムを添加せよ。
7.湯流れ不良および湯切れ

 A:湯流れ不良
   鋳型空間を満たし得ない。
   薄い鋳造部分に普通に
   できる。
A:湯流れ不良は溶湯が鋳型部分を完全に満たし得ないことである。普通はせきから少し離れたところにできる。 AおよびB:せきづけを改良せよ。最適鋳込温度をチェックせよ。せきを増加せよ。過剰の水分含有量に対して砂条件を硬くつき固めすぎるな。蒸気および空気圧力を解放するためにガス抜きを研究せよ。できれば流動性を大きくするために高ケイ素合金または亜鉛を含む合金を選べ。
 B:湯切れは溶湯が一緒に
   走るので失敗した継ぎ目
   である。
B:湯切れは部分的に凝固を生じて地金流が瞬間的に中断することによって起こる。進行して来る溶湯は最初の流れの先端で凝固する。溶湯の流れは鋳型空間の他の部分に出合って分流するが二つの分流の溶湯が一つになるには冷たすぎる。鋳造温度が低すぎると溶湯はせきから流れるに遠すぎる。溶湯の流れを遅らせる鋳型空間の蒸気と空気の背圧、砂の湿りすぎ。硬くつき固めすぎた砂、ガス抜き不充分の鋳型、鋳造に不適当な合金。
8.われ

 A:”熱間われ”
    または
   ”熱間亀裂”
A:われは鋳物が凝固収縮する時に引張り応力を生ずる結果である。生砂鋳型が強すぎるかまたはつき固めが硬すぎる。中子が崩壊するには強すぎる。不適正なせきづけは熱間われが形成し熱スポットを生ずる。鋳造に不適当な合金、不適当な鋳物の取扱いおよび振り出しはわれを生ずる。 A:崩壊性の高い中子をつくれ。結合剤、砂条件、およびつき固めをチェックせよ。応力が集中する点の近くに鋳型中に独立の中空部を形成せよ。それは金属が凝固する時に砂が崩壊する空間を与える。せきの位置を変えるかせきを追加せよ。正しい合金の選択に注意せよ。できれば高ケイ素合金がよい。凝固の初期に高い応力を生ずる熱スポットに冷し金を用いよ。砂から鋳物を振り出す前に十分な強さになるように鋳物を冷せよ。熱間ぜい性の少ない合金を選べ。
 B:焼入れわれ B:一般に冷たすぎる水を用いた焼入れにより溶体化処理後に生ずる、不均一な焼入れは別の応力を発生する。 B:焼入れ速度を遅める。沸騰水または加熱した油を用いよ。焼入れ溶剤の機械的循環によってまたはジェットおよび吹付けの使用によってさらに均一に冷却せよ。
9.砂穴 下型表面にだけ見られる。不注意によって鋳型に落ちた砂に生ずる。 熟練せよ。
10.ラットティル(Rat‐Tail)または砂跡、砂しまり。 鋳型砂の機械的弱さがそのような欠陥を生ずる。 高い圧縮強さを与えるために多くの結合剤を加えよ。よりよい膨張特性を与えるために砂混合物を変えよ。
11.砂かさぶた。 砂型鋳物表面または補修鋳型中の弱い点では地金を鋳型の壁の中にしみ込ませ、その部分を欠除さす。 もっともよい型込方法を適用せよ。
12.砂つき ゆるいつき固めまたは鋳型表面に対する地金の過剰の衝撃がこの欠陥を生ずる。 型込法を改良せよ。または砂の流動性をませ。ゆるいつき固めをやめよ。鋳型孔が突進する地金によって急速に満たされる時に上型表面のような鋳型表面に対して地金の衝撃を避けよ。
13.中子ずれ、鋳型ずれ 普通には不注意または事故によって中子ずれを生ずる。ときには中子の一片側に対する地金の衝突が原因となるであろう。ときにはソリを生ずる。 鋳込に注意せよ。中子セットおよび型作りに熟練せよ。